札幌で外壁塗装を考えているけれど、一体いくらかかるのか分からなくて不安になりますよね。

後悔しないために最初に知っておくべき最も重要なことは、ご自宅の坪数からわかる正確な費用相場です。

この記事では、札幌の建築リフォーム会社で現場を担当する私が、坪数ごとの詳しい料金シミュレーションから、悪質な業者に騙されないための見積書チェックポイントまで、プロの視点で徹底的に解説します。

札幌の坪数別・外壁塗装の費用相場シミュレーション

ご自宅の外壁塗装にいくらかかるのか、正確な金額を知るためには、まず坪数ごとのおおよその費用相場を把握することが予算計画を立てる上で最初の重要なステップです。

建物の形状や使用する塗料によって費用は変動しますが、以下のシミュレーションを参考に、ご自宅のケースを当てはめてみてください。

この表はあくまで一般的な住宅を想定した概算です。

正確な費用を知るためには、専門家による現地調査と詳細な見積もりが不可欠となります。

20坪の費用相場

延床面積20坪(約66㎡)の住宅は、単身者向けやコンパクトな2階建ての住宅に多いサイズです。

札幌市における20坪住宅の外壁塗装の費用相場は、およそ50万円~90万円となります。

外壁面積は、延床面積に係数1.1~1.3を掛けて算出するのが一般的で、20坪の場合は約73㎡~86㎡です。

費用に幅があるのは、使用する塗料のグレードや外壁の劣化状況によって必要な工事が変わるためです。

外壁に大きなひび割れや損傷がある場合は、別途補修費用が必要になるため、見積もり時には必ず建物の状態を確認してもらいましょう。

30坪の費用相場

延床面積30坪(約99㎡)は、札幌の戸建て住宅で最も標準的なサイズといえます。

このサイズの住宅における外壁塗装の費用相場は、約80万円~120万円です。

30坪住宅の外壁面積は約109㎡~129㎡が目安となります。

多くの塗装業者がウェブサイトなどで料金モデルとして提示しているのがこの価格帯で、札幌の外壁塗装市場における一つの基準と考えることができます。

提示された見積もりがこの相場から大きく外れている場合、例えば極端に安い場合は、手抜き工事のリスクがないか慎重に内容を確認する必要があります。

40坪の費用相場

延床面積40坪(約132㎡)は、ゆとりのあるファミリー向け住宅に多いサイズ感です。

総額が100万円を超えるケースが多いため、工事全体の金額だけでなく、平方メートルあたりの単価も意識することが大切になります。

40坪住宅の外壁面積は約145㎡~172㎡となり、札幌での費用相場はおよそ100万円~140万円です。

面積が広くなる分、塗料の量や作業日数が増えるため、費用も高くなります。

面積が大きくなると、耐用年数が長いフッ素塗料や無機塗料を選ぶことで、長期的な塗り替えサイクルを延ばし、結果的にメンテナンスコストを抑えられる場合もあります。

50坪の費用相場

延床面積50坪(約165㎡)のような大きな住宅の場合、外壁塗装は大規模な工事となり、費用も高額になります。

そのため、その場しのぎの補修ではなく将来を見据えた長期的なメンテナンス計画を立てることが重要です。

50坪住宅の外壁面積は約182㎡~215㎡で、札幌での費用相場は120万円~160万円が目安です。

使用する材料や施工範囲が広いため、業者ごとの見積もり金額の差も大きくなる傾向にあります。

高額な工事になるからこそ、保証内容やアフターフォローが充実している信頼できる業者を選ぶことが、大切な住まいを長く守るための鍵となります。

外壁と屋根のセット塗装料金

外壁の劣化が気になる築年数であれば、屋根も同様にメンテナンスが必要な時期にきていることが多いです。

外壁と屋根の塗装を同時に行うことの最大のメリットは「足場代の節約」です。

塗装工事の費用全体のうち、足場の設置・解体費用は約15万円~25万円を占めます。

外壁と屋根の工事を別々に行うと、その都度この足場代が発生してしまいます。

セットで工事を行えば、足場を組むのは一度で済むため、この費用を丸ごと節約できるのです。

もし屋根の劣化も確認できるのであれば、将来的なコストを考えてセットでの塗装を検討するのが、トータルで費用を抑えるための賢い選択といえます。

見積書で騙されないための7つのチェックポイント

外壁塗装の見積もりで後悔しないために最も重要なのは、工事内容と金額の根拠が誰にでもわかるように記載されているかです。

高額な契約だからこそ、少しでも「おかしいな?」と感じる点があれば、契約前に必ず確認する姿勢が大切になります。

ここでは、信頼できる業者かどうかを見極めるための7つのチェックポイントを解説します。

これらのポイントを押さえることで、悪質な業者による手抜き工事や不当な請求のリスクを大幅に減らせます。

詳細な費用の内訳

見積書は、工事の透明性を示す重要な書類です。

信頼できる業者は、どの作業にいくらかかるのかを項目別に細かく記載します

例えば、「足場代」であれば「単価 × 面積(㎡)」、「塗料代」であれば「単価 × 缶数」のように、数量と単価が明記されているかを確認しましょう。

札幌における足場代の単価相場は、1㎡あたり800円~1,200円程度です。

この内訳がしっかりしている見積書は、各工程を誠実に行う意思の表れと言えます。

詳細な費用の内訳を丁寧に説明してくれる業者は、お客様の不安に寄り添える、信頼できるパートナーの第一条件です。

「一式」などの曖昧な表現

見積書に記載されている「〇〇工事 一式」という表現は、最も注意すべき危険信号です。

この表記は、内訳が不明瞭であるため、業者の都合で作業を省いたり、安い塗料を使ったりする手抜き工事につながる温床となります。

例えば、「付帯部塗装 一式 10万円」と書かれていても、どこからどこまでを塗装するのかが分かりません。

後から「雨樋は含まれていません」と言われ、追加料金を請求されるトラブルも発生しています。

総額が安く見えても、「一式」表記が多い見積もりを提示する業者は避け、各項目の詳細な記載を求めましょう。

塗料メーカーと商品名の明記

外壁の美観や耐久性を決めるのが塗料です。

そのため、どのメーカーのどの商品を使用するのかが具体的に記載されているかを必ず確認してください。

「シリコン塗料」とだけ書かれている見積書は不親切です。

同じシリコン塗料でも、メーカーや商品によって価格や性能は大きく異なります。

信頼できる業者は、日本ペイント株式会社の「パーフェクトトップ」や、エスケー化研株式会社の「エスケープレミアムシリコン」のように、メーカー名と商品名を正確に記載します

商品名が分かれば、ご自身で定価や耐用年数をインターネットで調べられます。

これにより、見積もり金額が妥当かどうかを判断する一つの材料になります。

正確な塗装面積の算出

見積もり金額の根拠となるのが「塗装面積(㎡)」です。

塗装面積がどのように算出されたのかが明確であるかは、その業者の信頼性を見極めるうえで欠かせません。

塗装面積は、建物の図面から計算するか、現地調査で実測して算出します。

延床面積30坪(約99㎡)の一般的な戸建て住宅の場合、外壁の塗装面積は窓などの開口部を除き、およそ120㎡~140㎡が目安です。

この数値を大幅に超える面積が見積もりに記載されている場合、意図的に金額を水増ししている可能性があります。

なぜその塗装面積になったのか、算出根拠を質問した際に、明確に答えられない業者は注意が必要です。

施工工程(3回塗り)の記載

外壁塗装の品質は、正しい工程で施工されて初めて保たれます。

基本となるのが「下塗り・中塗り・上塗り」の3回塗りであり、この工程が見積書に明記されているかを確認しましょう。

それぞれの工程には重要な役割があります。

人件費を削減するために中塗りを省く悪質な業者も存在します。

この工程を省くと、わずか2~3年で塗膜が剥がれてくるなどの不具合が発生する原因となります。

見積書に3回塗りの記載がない場合は、契約前に必ず確認してください。

工事期間と保証内容

安心して工事を任せるためには、工事の期間と完了後の保証内容が書面で示されていることが重要です。

工事期間は、天候に左右されるため確定的な日数は記載しにくいですが、一般的な30坪の住宅で10日~14日程度が目安として記載されているか確認しましょう。

保証については、塗膜の剥がれや膨れといった不具合に対して、何年間保証してくれるのか、その内容が具体的に書かれているかがポイントです。

「最長15年保証」と謳っていても、保証の対象範囲が極端に狭いケースもあります。

口約束で済ませるのではなく、工事保証書などの書面で内容を提示してくれる業者を選びましょう。

会社情報と担当者の連絡先

信頼関係の基本として、会社の正式名称、住所、固定電話の番号、そして担当者の氏名と直接連絡が取れる連絡先がはっきりと記載されているかを確認します。

会社の所在地が曖昧であったり、連絡先が携帯電話番号のみであったりする見積書は信用できません。

万が一、施工後にトラブルが発生した際に、連絡が取れなくなってしまうリスクを伴います。

可能であれば、建設業許可番号や資格保有者の名前などが記載されていると、さらに安心材料となります。

見積書は、その会社の顔です。

自社の情報を誠実に開示しているかどうかは、信頼できる業者を選ぶための第一歩といえます。

札幌の外壁塗装費用を賢く抑える3つの方法

外壁塗装は高額な工事ですが、工夫次第で費用を抑えられます。

その中でも、利用できる制度の確認や業者の選び方を工夫することが最も重要です。

高額な費用がかかるからこそ、少しでも負担を減らしたいと考えますよね。

ここでは、札幌で外壁塗装の費用を賢く抑えるための3つの方法を解説します。

これらの方法を組み合わせることで、塗装費用を節約できる可能性があります。

ご自身の状況に合わせて、最適な方法を見つけましょう。

札幌市の助成金・補助金の活用

助成金・補助金とは、国や地方自治体が住宅リフォームなどの費用の一部を負担してくれる制度です。

返済の必要がないため、条件に合えばぜひ活用したい制度になります。

札幌市では2024年現在、単なる美観を目的とした外壁塗装のみを対象とする助成金制度はありません。

しかし、省エネ性能の向上を目的としたリフォーム、例えば遮熱効果のある断熱塗料を使用する場合などは「札幌市住宅エコリフォーム補助制度」の対象となる可能性があります。

制度の利用には申請期間や条件があるため、まずは札幌市の公式ウェブサイトを確認するか、リフォーム業者に相談してみることをおすすめします。

火災保険の適用

火災保険は、火事だけでなく台風や大雪などの自然災害による損害も補償の対象となる場合があります。

外壁の劣化が自然災害によるものと認められれば、保険金で修理費用を賄える可能性があります。

例えば、「大雪の重みで雨樋が変形し、外壁にひび割れが入った」「台風で飛んできた物によって外壁が損傷した」といったケースが対象です。

ただし、経年劣化による色あせや汚れ、ひび割れは対象外なので注意しましょう。

まずはご加入の保険証券を確認し、補償内容と適用条件をチェックしてください。

保険申請のサポートを行っている塗装業者もいるため、相談してみるのも一つの手です。

3社以上からの相見積もり

相見積もりとは、複数の業者から同じ条件で見積もりを取り、内容を比較検討することです。

適正な費用相場を把握し、悪質な業者を避けるために不可欠な手順と言えます。

札幌市内で業者を探す際は、最低でも3社以上から見積もりを取得しましょう

1社だけでは提示された金額が高いのか安いのか判断できません。

複数の見積もりを比較することで、ご自宅の塗装工事における適正価格が見えてきます。

単純な価格の比較だけでなく、見積書の内訳の詳しさ、使用する塗料、保証内容などを総合的に判断することが、満足のいく業者選びにつながります。

失敗しない札幌の外壁塗装業者の選び方

外壁塗装は、決して安い買い物ではありません。

だからこそ、金額の安さだけで業者を決めてしまうと、後悔する結果になりかねません。

大切なのは、あなたの家のことを親身に考え、確かな技術で施工してくれる信頼できる業者を見極めることです。

ここでは、札幌で優良な外壁塗装業者を選ぶために、プロの視点から5つの重要なポイントを解説します。

豊富な施工実績

施工実績は、その業者が積み重ねてきた経験と技術力の証明です。

特に札幌のように冬が厳しい地域では、凍害や積雪への対策など、特有のノウハウが求められます。

ウェブサイトなどで公開されている施工事例を確認しましょう。

年間100棟以上の施工実績があれば、さまざまな状況に対応できる経験が豊富だと判断できます。

ご自身の住まいと似たタイプの建物の事例を探し、仕上がりの美しさや、どのような工事を行ったのかをチェックすることが重要です。

施工実績が豊富な業者は、地域特性を理解した最適な提案をしてくれます。

自社施工の有無

業者選びでは、実際に工事を行うのが誰なのかを確認することが非常に大切です。

自社施工とは、下請け業者に工事を丸投げせず、自社で雇用・育成した職人が責任を持って施工を行う体制を指します。

大手のリフォーム会社などでは、契約だけ行い、実際の工事は下請け業者に任せることがあります。

この場合、中間マージンが発生し、費用が20%~30%ほど割高になることがあります。

自社施工の業者であれば、余計なコストがかからず、営業担当者と職人の連携もスムーズなため、あなたの要望が現場に直接伝わりやすいという利点があります。

見積もりを依頼する際に「工事はすべて御社の社員さんが行うのですか?」と直接確認してみましょう。

資格保有者の在籍状況

外壁塗装に関連する資格は、職人の技術力や知識レベルを客観的に示す指標となります。

資格がなくても塗装工事はできますが、資格保有者がいることは、信頼できる業者かどうかを判断する一つの安心材料になります。

特に「一級塗装技能士」は、7年以上の実務経験が必要な国家資格であり、高い技術力の証明となります。

他にも、外壁の劣化状況を正確に診断する「外壁診断士」などの資格があります。

会社のウェブサイトやパンフレットで、どのような資格を持つスタッフが在籍しているかを確認してみてください。

専門知識を持ったスタッフがいれば、より的確な診断と質の高い施工が期待できます。

口コミや評判

実際にその業者を利用した人の声は、業者選びの重要な参考情報です。

広告やウェブサイトだけではわからない、リアルな評価を知ることができます。

Googleマップの口コミや、地域の情報サイトなどを確認してみましょう。

良い評価だけでなく、もし悪い評価があった場合に、業者がどのように対応しているかまでチェックすることが大切です。

誠実な業者は、クレームに対しても真摯に対応します。

ただし、口コミは個人の主観によるものなので、すべての情報を鵜呑みにせず、あくまで判断材料の一つとして冷静に評価しましょう。

プロによる無料の劣化診断

優良な業者は、契約を急がせる前に、まず建物の状態を正確に把握するためのプロによる劣化診断を必ず行います。

この診断の丁寧さが、そのまま施工の質に直結するといっても過言ではありません。

診断の際には、ただ外から眺めるだけでなく、ひび割れの幅や深さを計測したり、壁を触って塗膜の劣化具合(チョーキング現象)を確認したりします。

診断にかかる時間は通常30分から1時間程度です。

診断後には、写真付きの詳細な報告書を提出し、専門用語を使わずに現状と必要な工事内容を分かりやすく説明してくれる業者は信頼できます。

劣化診断の対応を見ることで、その業者の仕事に対する姿勢を判断しましょう。

よくある質問(FAQ)

見積もりで「足場代無料」と言われましたが、信じても大丈夫ですか?

「足場代無料」には注意が必要です。

足場の設置には必ず費用がかかるため、その分の金額が塗料代や施工費などの内訳に上乗せされている可能性が高いです。

見積もりを受け取った際は、総額だけでなく各項目の単価が適正な相場であるかを確認しましょう。

複数の業者から見積もりを取って比較することが、隠れた費用を見抜くための重要なポイントになります。

札幌の気候に適した塗料の種類はありますか?

雪や凍結に強い、耐久性の高い塗料を選ぶことが重要です。

一般的に多く使われるシリコン塗料も良い選択ですが、より長い耐用年数を求めるなら、雪が滑り落ちやすく汚れにも強いフッ素塗料がおすすめです。

ご予算や今後のメンテナンス計画に合わせて、専門の業者と相談しながら最適な塗料の種類を決定しましょう。

外壁塗装の工事期間中は、普段通りに生活できますか?

いくつかの制限があります。

工事期間中は、塗料の飛散防止シートで家が覆われるため、窓を開けたり洗濯物を外に干したりすることはできません。

また、足場の設置・解体時や高圧洗浄の際には、大きな音が発生します。

事前に業者から詳しい施工スケジュールをもらい、騒音が出る日などを把握しておくと、生活への影響を最小限に抑えられます。

札幌市の助成金や補助金の申請は難しいですか?

ご自身で手続きすることも可能ですが、専門の業者に相談するのが最もスムーズな方法です。

札幌市では、省エネ性能を高めるリフォーム(遮熱塗料の使用など)が補助金の対象になることがあります。

制度の利用実績が豊富な業者であれば、申請条件の確認から書類の準備までサポートしてくれます。

見積もりを依頼する際に、助成金の利用についても相談してみましょう。

火災保険が使えるのは、どのような劣化の場合ですか?

火災保険は、台風・大雪・雹(ひょう)といった自然災害によって外壁が損傷した場合に適用されます。

例えば「台風で飛んできた物が当たって壁がへこんだ」「大雪の重みで外壁にひびが入った」といったケースです。

単なる経年劣化による色あせや汚れは対象外となります。

心当たりがある場合は、まずご加入の保険会社に連絡し、その後、保険申請の知識が豊富な業者に劣化診断を依頼しましょう。

外壁と屋根の塗装を同時に行うメリットは何ですか?

最大のメリットは、足場代を一度で済ませられる点です。

外壁塗装と屋根塗装を別々の時期に行うと、その都度約15万円〜25万円ほどの足場代がかかります。

セットで施工すれば、この費用が1回分で済むため、トータルで工事料金を大きく安くする方法として非常に有効です。

外壁の劣化が気になる築年数であれば、屋根も同様にメンテナンスが必要な場合が多いため、同時に診断してもらうことをお勧めします。

まとめ

札幌の外壁塗装で後悔しないためには、ご自宅の坪数からわかる正確な費用相場を把握することが最も重要です。

この記事では、札幌での坪数別料金シミュレーションから、悪質な業者に騙されないための見積書チェックポイントまで詳しく解説しました。

まずはこの記事で解説したポイントを参考に、複数の信頼できる業者から見積もりを取り、ご自宅の適正価格を把握することから始めましょう。

コメントを残す